TOPPapyMamaコラム医療

「赤ちゃんの歯医者さんデビュー Vol.2」

前回は、日本での「歯の健康」に対する意識の程度についてお話ししました。

生涯を通して歯を健康に保つためには、子どもの頃からの定期検診が大切になってきます。

 

では、お子さんを何歳から歯科医院に連れて行けばいいのでしょう?

歯医者さんデビューの目安は1歳」です。周りの環境に興味を持ち始め、
体幹もしっかりしてくる頃です。
歯が二本だけのお子さんもいれば、8本そろっているお子さんもいるでしょうが、歯の数は関係ありません。

 歯医者さんに通う最初の目的は、「歯医者さんに慣れること」です。

 歯医者さんはおうちや保育園、公園といった慣れ親しんだ場所とは違い、
どちらかというと大人でも緊張する場所です。
ですから、いざ歯ブラシ指導やむし歯治療、転んだときの外傷の治療をしようにも、
お子さん簡単には口を開いてくれません。診療室に入る前に大泣きということも多いです。

そうならないためには、1歳ごろから歯医者さんの雰囲気に慣らしていき、
スタッフとのコミュニケーションをとっておくのです。そうすれば、
いざという時に処置がスムーズにできますし、
通うたびにフッ素塗布や専門スタッフによる歯磨き指導など予防もできるので、
虫歯になりにくいお口の環境をつくれます。 

もちろん、一歳を過ぎたお子さんでもまったく遅くはありません。
いまから出来ることをしていきましょう。
たとえば、3歳前後のお子さんは恐怖心もでてくる年齢なので、
最初は診療室に入ることさえ嫌がることもあります。ですが、定期的に通院するうちに雰囲気を知り、年齢もあがってくるので、半年から一年ほどでお口を開けられるようになります。
検診だけなら痛い思いもしないので、歯医者さんに通うことが平気になるのでしょう。
最初は保護者のかたの根気と頑張りが必要ですが、スタッフやドクターと連携してお子さんの不安感を少しづつ取り除いていけたらいいですね。

 歯は虫歯になると、二度と元の健康な歯には戻りません。
保護者の方々には、お子さんが小さい時から
「定期検診でお口の健康を守ること」を習慣にしてあげてほしいものです。

 

定期検診受診のタイミングとしてはお母さんお父さんの検診や治療のついでにお子さんも一緒にされてもいいでしょうし、こども達が来やすいように工夫を凝らした医院もあります。お子さんの通院には保護者とスタッフやドクターとの連携が大切になります。継続的に通えることが望ましいので、立地や医院の雰囲気など、通いやすさで選ぶことをおすすめします。まずは「検診で受診したいのですが」と歯科医院に尋ねてみて下さい。



「赤ちゃんの歯医者さんデビュー Vol.1」

こんにちは。白数デンタルオフィスの白数正義です。

日ごと、冬の足音が近づいていますね。
街を歩くと、暖かそうなブランケットで包まれた子供たちがベビーカーでお散歩を楽しんでいます。

さて、今回のコラムは、「赤ちゃんの歯医者さんデビュー」について、2回シリーズでお届けします。

お母さん、お父さんは自分が初めて歯医者さんに行った時のことを覚えていますか?
歯医者さんといえば痛くなった虫歯の「治療」をするために通ったという方が多いのではないでしょうか。
そんな方はきっと、歯医者さんは痛くて怖い場所だと思っていたことでしょう。
なかには、今でもトラウマになっている方もいらっしゃるかもしれません。
でも時代はかわり、いまは歯医者さんに通う目的は虫歯の治療だけではありません。

「今ある歯を健康に保つために通う場所」

として認知されてきています。
歯の健康を守るために定期的に歯科医院を受診することは、
先進国では常識となってきています。

興味深いデータがあるのでご紹介します。
予防歯科先進国スウェーデンでは歯科の定期検診に通っている人口が90%。
その結果、80歳の方の歯の平均本数が20本もあります。
大人で歯が全てそろっている場合は28本なので、
失った歯の数はわずか8本という素晴らしい成績です。

一方、定期検診に通っている人口が15%の日本では、
80歳で平均12本しか残っていません。
日本でも定期検診の重要性は浸透しつつありますが、
まだその意識は低いようです。

日本がスウェーデンのように予防歯科先進国になるために一番大切なことは、
子どもの頃からの定期検診の重要性と習慣化をもっとひろげていくことです。

みなさん、お子さんを何歳から歯医者さんに連れて行きましたか?
また、初めての歯医者さんは何を目的に行きましたか?
お話を聞いていると、事情はいろいろです。
「むし歯みたいなものがあったから。」
「一歳半や、三歳児検診で行くようにすすめられたから。」
「フッ素を塗りに。」

その一方で「お母さん自身が歯医者さんが苦手だから、先延ばしにしている。」
「いつから行けばいいかわからない。」という声もよく耳にします。

次回は、お子さんの「歯医者さんデビュー」についてお話ししようと思います。



虫歯予防は食生活から-おやつの与え方にひと工夫-

 前回のコラムでも紹介しましたが、
「虫歯はミュータンス菌が原因の感染症」と説明しました。

 ミュータンス菌に感染しなければ虫歯にならないのは事実です。
しかし、ミュータンス菌に感染しただけでは虫歯にならないのです。
虫歯になるためにはいくつかの要素が関連しています。

その要素とは

①細菌(微生物)
 虫歯の原因となるミュータンス菌類に感染すること

②糖質
 むし歯菌の栄養となる糖質(砂糖)がたくさん含まれる食べ物をとっていること
 
③個人の抵抗性
  歯や唾液などむし歯に対する抵抗性が低い

④時間
 上の3つの要素が重なる条件が歯の表面で発生し、
 その時間が長ければ長いほど、その回数が多ければ多いほど、虫歯は発生しやすくなります。

上の4つの要素すべてが「一定の条件」を満たすと虫歯になります。

ひとつの要素だけでは虫歯にならないのです。

つまり、虫歯菌に感染したらすぐに虫歯になるのではないのです。
その他の要素
 
②糖質(砂糖)
③個人の抵抗性(唾液、歯の強さ)
④時間をいかに無くすか

が虫歯予防には大切なのです。

子供は甘いお菓子(飴、ガム)、スナック菓子、ジュースが大好きです。
しかし、大人も食べるお菓子を子供に禁止するのは大変なことです。
特に小さい子は、食事だけでお腹を満たすことができず、おやつが必要です。

 そこで、考えて頂きたいのが④時間の要素です。
食べ物がお口の中に入っている状態では、お口の中は酸性状態です。
この酸性状態が長く続くことにより、虫歯になりやすくなるのです。
お口の中に食べ物が無くなれば、唾液の作用で、次第に中性に戻るのです。
したがって、食事以外のおやつなどの与え方を工夫してみてください。

それは、「時間を決め、間隔をあけて」おやつをあげること。

そうすれば、お口の中が中性に戻る時間ができ、
虫歯になるリスクを減らすことができます。
ずっとお口の中にものが入っている状態が一番虫歯になりやすいのです。
つまり、お口の中が「虫歯にならない環境」にしてあげることが大きなポイントです。
言い換えると、虫歯は「生活習慣病」とも言えます。
虫歯の成り立ちを理解し、
甘いものやおやつを何でも規制するのではなく、
歯磨きをきちんとし、おやつを食べる時間を守り、
フッ素などで歯を強くすることにより、
虫歯はほとんど防ぐことができるのです。

まずは、おやつを与える時間から考えてみてはどうでしょうか?



RECOMMEND

RECOMMEND


Thanks for supporting ...