子どもの虫歯を家族みんなで予防しよう
「第1回 歯のお勉強会」でこんな質問がありました。
「虫歯菌は親から子供へ移るので、
食事の時のスプーンなどは別々にした方がいいんでしょうか?」
子育て中のママさんからよくある質問です。
確かに虫歯はミュータンス菌が原因の「感染症」です。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはミュータンス菌はいません。
ミュータンス菌は、周りにいる大人たち(主に母親)からうつるのです。
それならば、スプーンなどすべて別々の物にし、口移しなど一切しないようにすれば
ミュータンス菌に感染しないのでしょうか?
まだ一人で食事できない幼い子供に対して絶対に口移しをしないように気を配るのは
かなり難しいことで、根気と手間のいることですよね。完全に避けることはできないと思います。
ではどうやって子供の虫歯を予防するかというと、まずは「大人の虫歯をなくす」ことが大切です。
毎日接している大人に虫歯があり、たくさんのミュータンス菌をお口の中に抱えていれば、
食事を通して子供が菌に感染するリスクは当然高くなります。
つまり子供の虫歯を予防するためには、
毎日身近で接している両親(特に母親)のお口の中をきれいにしておくことが大切なのです。
近くにいる大人が、虫歯などない健康なお口なら
ミュータンス菌感染なんかに気を取られず、親子そろっての食事を楽しく過ごせることでしょう。
母親の妊娠期からのお口の中のケアも子供の虫歯予防には大切です。
妊娠期から母親がお口のケアをしている場合、子供の虫歯が少ないと言われています。
これに関連し、母親が妊娠期からキシリトールガムを摂取することにより
子供の虫歯感染のリスクを減らせるという報告もあります。
食事の時間は、親子のスキンシップをはかるのに大切な時間なので、
楽しく過ごしていただきたいです。
口移しをしないようにと食事のたびにピリピリする必要はありません。
それよりも、日頃から家族みんなのお口をきれいに保つように心がけましょう。
子供の虫歯予防は、家族みんなのお口の健康にも意識をもつよいきっかけになります。
今一度、家族みんなでお口のケアについて話し合ってみてはいかがでしょうか。